副院長
唾液(だえき)が減少することによって、口が渇く、喉が渇く、口の中がネバネバする、話しにくい、味がおかしいなど、さまざまな症状が起こります。
【唾液が減少する原因】
・加齢
・ストレス(緊張など)
・喫煙
・口で呼吸している
・糖尿病や腎臓疾患による全身的な原因
・服用している薬の副作用
などが考えられます。
【唾液減少によるリスク】
・ムシ歯
・歯周病
・口臭
・口内炎
唾液が減ることで上記のトラブルを引き起こす可能性が高まります。
全身的な原因や薬による副作用については、薬を変更したり、減らしたり、止めたりということは、自分で判断せずに、必ず主治医の先生にご相談ください!
【ご自身でできる対処法】
・水分(水・お茶)をこまめに摂る
お茶にはカテキンが含まれており、口臭予防にも効果的です。
・ガム(キシリトールが好ましい)を噛む
・食事の時は、ゆっくりとよく噛む習慣をつける
噛むことによって刺激されて唾液が出てきます。
・マスクを着用する
就寝中は、鼻だけマスクから出すと息苦しさが軽減されます。
・禁煙する
・舌の運動を行う
・唾液腺をマッサージする
口が乾燥すると、さまざまなトラブルを引き起こす原因となりますので、日頃から口の中を清潔にすることが大切です。もし(口が乾くという)症状が思い当たる方は、上記の対処法を取り入れてみてください。
院長
例えば、登山、台風、飛行機の搭乗中などで、気圧の変化で圧力がかかって、歯が痛くなることを「気圧性歯痛」または「航空性歯痛」と言います。
歯の中には「歯髄腔(しずいくう)」と呼ばれる空間があり、短時間に気圧が下がると、歯髄腔の中にある神経に圧力がかかって痛みが起こるというものです。
ひどい痛みでなければ心配はいりませんが、激しく痛む場合にはムシ歯の疑いがあります。日頃のケアで、お出かけ直前やお出かけ中の、口にトラブルにも気をつけましょう!
院長
【「知覚過敏」の対処法と予防法 】
「知覚過敏」とは、ムシ歯でもないのに、冷たいもの・温かいもの・酸味の強いものを口に入れた時や、歯磨きの時などに歯がしみるという症状で、大きな特徴は「一時的にしみる」ということです。
程度にもよりますが、ムシ歯の場合は持続的な痛みを伴うことが多いのに対して、知覚過敏の場合は何らかの刺激によって一時的に歯がしみるだけで、その後は継続しないことが多いようです。
【原因】
知覚過敏は、以下のいくつかの原因が重なって起こります。
◎まちがった歯ブラシの使い方
硬い歯ブラシでゴシゴシと力まかせに歯磨きを続けた結果、歯の表面が削(けず)れてしまったり、歯肉がやせてしまって根元の敏感な部分が露出したことによりしみます。
◎歯ぎしり・食いしばり・噛み合わせによる負担
不安・ストレス・疲れなどによる歯ぎしりや食いしばりによって、歯の一部分に過大な力がかかり、歯の表面が傷ついたことによりしみます。
◎歯周病
歯肉が痩(や)せて下がってしまったことにより、根元の敏感な部分が露出することによってしみます。
◎ホワイトニング
歯を白くする治療中の、ホワイトニング剤の影響によりしみます。
【対処法】
知覚過敏は歯の中の神経が、何らかの刺激に対して敏感になっている状態ですので、(例えば)うがいの時に冷たい水がしみるようであれば、体温に近いぬるま湯でうがいをしたり、歯ブラシが当ると痛い場合は、力かげんや当て方に気をつけ、神経を刺激しないようすることで、しみなくなることもあります。
また、知覚過敏用のハミガキ粉を使用することによって収まることもあります。
【当医院オススメの知覚過敏用ハミガキ粉】
副院長
【天然の歯に勝るものはありませんが…】
重度のムシ歯、歯周病、ケガなどによって歯を失ってしまった場合には、そのままにしておくと、残った健康な歯が傾いたり、伸びてきたり、歯並びや噛み合わせのバランスを崩したりする原因になります。
失った歯を補うには、主に3つの治療法があります。
◎ブリッジ
長所 : 固定式なので違和感が少ない。
短所 : 固定するために周囲の健康な歯を削る必要がある。
◎義歯(入れ歯)
長所 : 歯を削る量が少なく、簡単な型取りでできる。
短所 : 金属のバネや歯ぐき色の床があり、取り外し式なので違和感が強い。
◎インプラント
長所 : 周囲の健康な歯を削らずに、自身の歯と同じような感覚で咬める。
短所 : 治療に期間と費用がかかる。
どんな治療でも天然の歯に勝るものはありません。
日頃のケアと定期検診、歯垢・歯石除去で、口の健康を心がけましょう。
院長
親知らずは「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」や「智歯(ちし)」とも呼ばれ、第二大臼歯(12歳臼歯)の奥に位置していて、20歳前後で生えてくることが多く、痛みや腫れなどのトラブルが起こるのも、この時期が多いようです。
【抜歯が必要な場合】
親知らずは、埋まったまま出てこない場合や、はじめから歯胚(しはい:親知らずの卵のこと)がなかったり、正常に上下でしっかり噛み合っていたり、生えてくるスペースがないため横や斜めに倒れているなどの個人差がありますが、悪影響がなければ、必ずしも抜歯しないといけないわけではありません。
ただし、一番奥に生えるために歯ブラシが届きにくくて不潔になり、炎症を起こしやすくなりますので、日頃からしっかりと管理することが大切です。
当院では、繰り返して痛みや腫れがある場合や、ムシ歯になってしまった場合には、隣の歯の健康のことも考えて、抜歯をおすすめしています。
抜歯を希望される場合には、特に下の親知らずを抜いた後に術後の腫れが出ることがありますので、余裕をもって抜歯の予定を組んだ方が良いでしょう。
副院長
口臭は、個人差はありますが、誰もが少なからず持っているもので、
・特定の原因がない生理的なもの
・重度のムシ歯・歯周病など、口の中に原因があるもの
・耳鼻咽喉・呼吸器・消化器系その他の身体的な病気が原因のもの
・実際には臭わないのに不安に感じてしまう自臭症
・タバコ・コーヒー・ニンニクなど食べたものによるもの
など、さまざまな種類があります。
特徴としては、空腹時・起床時・緊張時など、唾液が少なくなると発生しやすく、もちろん口の中が不衛生だと、より強くなるといわれています。
【口臭が心配な時の対処法】
・うがいをする
水だけで十分です。マウスウォッシュを使用する場合には、使い過ぎに注意しましょう!
・水分を補給する
口の中が乾燥すると口臭が強くなりますので、水などで口の中を潤すことが必要です。また、お茶に含まれるカテキンには消臭効果があります。
・キシリトールガムやタブレットを食べる
物を噛んだり、口の中にものが入ると、それが刺激となって唾液の量が増えるので効果的です。
・舌ブラシ・軟らかい歯ブラシで舌を清掃する
舌苔(ぜったい)という、舌に付着しているコケをやさしく落とします。
・ムシ歯・歯周病を予防・治療する
口臭の原因の約90%が、口の中にあるといわれていますので、口臭が気になる方や、口臭を指摘されたことがある方は、歯磨きの方法を考えてみたり、ムシ歯や歯周病を疑うことも必要かもしれません。一度、歯科医院でご相談されることをお勧めします。
院長
【TCHとは】
歯を失う原因の70%が、重度の「ムシ歯」や「歯周病」と言われており、その他の原因として、ケガ、破折、矯正のための抜歯などがありますが、最近ではテレビやパソコンの普及、生活習慣の変化などによって、新たな問題も指摘されています。
そのひとつが「Tooth Contacting Habit:TCH」(歯列接触癖)というものです。これは、上下の歯を “持続的に” 接触させる、一種の「癖」のことです。
上下の歯の接触というと、一般的には、歯の「かみ締め」や「食いしばり」を連想される方が多いと思いますが、実際には「グッ」と強い力で歯をかみ締めたり食いしばったりするほかに、上下の歯が接触する程度でも、筋の緊張・疲労が生じるということもわかってきました。そして、長期間にわたってその癖が続くことによって、歯に横揺れが加わったり、すり減ったりすることで、歯の健康が害されるとも言われています。
【TCHの問題点】
上下の歯は、ふだん何もしていない時には接触せずに離れています。そして会話や食事などの時に接触する時間を含めても、(上下の歯が)接触しているのは 1日のうちで20分程度というのが正常な時間だと言われています。
しかし、この上下の歯の接触時間が長くなると、筋肉の緊張・疲労、歯や顎関節への負担が増えて、歯の消耗や顎関節症などにつながる恐れがあります。
【TCH対策】
TCHは、テレビを見ている時や長時間パソコンをしている時などに起こりやすいので、ふと気づいた時に、上下の歯が接触していないかどうかを確認して、もし接触していたら離したり、息を鼻から吸って口から吐く深呼吸でリラックスしたりするなど、日頃から、ちょっとした工夫をしていただくことが有効です。
【TCHは重大な問題?】
TCHであっても問題が出ないケースも数多くあります。したがって、特に歯に問題が出なければ、TCHはただの「癖」ですので、それほど気にする必要はありません。
ただし、顎(あご)の疲労感や歯の痛みなどに、TCHが影響している可能性もありますので、そのような症状が出る時には、歯科医院を受診されることをおすすめします。
院長
【顎関節症(がくかんせつしょう)とは】
顎(あご)が痛い、口が開きにくい、カクカク・コリコリと音がするなど、さまざまな症状が現れる、顎の関節や周囲の筋肉・じん帯の病気です。
噛み合わせが悪いと起こると考えられがちですが、原因は「持続的な強い力による関節や筋肉の負担過重」であると考えられていて、
・歯ぎしり・くいしばりなどのブラキシズム
・唇や頬の内側をかむ癖
・長期的な片がみ
などの非生理的な運動が続くことが原因といわれています。
特に睡眠中の歯ぎしり・くいしばりなどは負担が強く、基本的には無意識のうちに行っている癖が原因ですので、顎の調子が悪い時には
・大きく口を開けない(あくびなども、要注意!)
・固い食べ物を避ける
・ストレスを発散してリラックスする
など、顎に負担をかけないよう安静にするの一番です。
顎に痛みがあって、食事や日常生活に支障をきたしたり、その症状が続くような場合には、一度、歯科医院を受診し、場合によっては歯ぎしり予防のマウスピースを作製してもらったり、セルフケアの方法をご相談されることをおすすめします。
最近は、上下の歯を持続的に接触させる癖である「Tooth Contacting Habit:TCH(歯列接触癖)」も、顎関節症を引き起こす原因となるのではないかと言われています。
上下の歯の接触というと、一般的には、歯の「かみ締め」や「食いしばり」を連想される方が多いと思いますが、実際には「グッ」と強い力で歯をかみ締めたり食いしばったりするほかに、上下の歯が接触する程度でも、筋の緊張・疲労が生じるということもわかってきました。そして、長期間にわたってその癖が続くことによって、歯に横揺れが加わったり、すり減ったりすることで、歯の健康が害されるとも言われています。
副院長
【口内炎とは】
偏食や体調の変化、歯ブラシでぶつけてしまった、唇を噛んでしまった…など、さまざまな原因で、口内炎はできてしまいます。そして、一度できてしまうと、すぐに治すという方法がありません。
口内炎の傷を保護して痛みを軽減したり、治りを良くする方法として、軟膏をお使いいただく方法があります。軟膏を塗る時には、綿棒を使うと効果的です。
【軟膏の効果的な塗り方】
1. 綿棒の片方に、米粒大の軟膏を取ります。
2. 唾液で濡れていると軟膏が付きにくいため、まず反対側の部分で、 口の中の唾液(水分)を軽く拭います。
3. 口の中を乾いた状態にして、軟膏の付いた部分で、口内炎の上に(軟膏を)軽くのせます。この時には、強くすり込む必要はありません。
この方法で、毎食後と就寝前に3~4 回ほど塗ります。
なお、軟膏を塗っても軽快が見られない場合には、歯科医院にご相談いただくことをおすすめします。
副院長
【口内炎はどうしてできるの?】
「口内炎」は、口の中を噛んでしまったり、歯ブラシをぶつけて口の中の粘膜が傷ついたり、ウイルス、細菌、疲労、偏食、ストレス、免疫力(抵抗力)の低下などが原因で、できたりします。
【口内炎を早く治すポイントは?】
口の中の粘膜は、お肌のコラーゲンなどと同様にタンパク質でできているため、口内炎を早く治すには、「タンパク質合成」を促進して、修復力を増すことです。
タンパク質合成に必要な栄養素は、亜鉛、ビタミンB2、ビタミンB6です。これらが不足するとタンパク質の合成量も減って、口内炎になりやすいと言われています。
現代人は、ビタミンB2とビタミンB6は十分に摂取できていますが、亜鉛などのミネラル分が不足する傾向にあるようです。
◎ビタミンB2が多く含まれている食材
海苔・ワカメなどの海藻類、サバ・うなぎなどの魚類、卵、しいたけ、ブロッコリー、ほうれん草など。
◎ビタミンB6が多く含まれている食材
牛乳、チーズ、キャベツ、トウモロコシなど。
◎亜鉛が多く含まれている食材
牡蠣(かき)、ワカメ、コンブ、海苔、スルメ、カニなど。
また、本来、口の中は、唾液が持っている「抗菌作用」や「粘膜保護・修復作用」などによってウイルス・細菌から傷口を守ったり、傷ついても、身体の他の部分より治りやすいものですが、唾液の量が少ない人は殺菌力が弱いために、口内炎になりやすいと言われています。
口内炎の予防には、歯ブラシを正しく使って、口の中を清潔にするように心がけるとともに、ストレスをためこまないようにすることが大切!食事も含めて、日常生活にも気を配りましょう。
疲労・偏食・運動不足は、身体のあらゆる部分の不調につながります。口内炎が頻繁にできたり、なかなか治らない時には、キチンと休息を取って、食生活も含めて「生活のリズム」を、もう一度考えてみることが大切です。